2台のマリンバのためのシャコンヌ

■ 委嘱経緯等

名倉誠人氏の委嘱により作曲。
「阪神・淡路大震災20周年 灘区民ホールメモリアルコンサート 曼荼羅とシャコンヌ 円を描く宇宙」で初演された。
震災のメモリアルコンサートのための委嘱作品であるため、全体に重厚でコンテンポラリーな雰囲気の強い作品となっている。

■ 初演データ

  • 初演 2015/1/16
  • 場所 神戸灘区民ホール
  • 演奏 名倉誠人、可児麗子

■ 曲解説

この曲はマリンバ奏者の名倉誠人氏の委嘱により昨年10月に完成したものです。「シャコンヌ」とは17世紀にスペインを始めヨーロッパ各国で栄えた3拍子の舞曲で、通奏低音のようにテーマが繰り返されつつ、上声部が様々に変奏される一種の変奏曲です。

この曲も前例に従って、先ず単音のテーマが提示され、その後他の声部がまとわりつくように27回の変奏が繰り返されて、最後に短いコーダで締めくくっています。

前半の12回の変奏はミステリアスな表情で始まりますが次第に高揚してクライマックスを迎えると、突然Vivaceの中間部に入ります。中間部はスピード感溢れる激しい変奏が一気に12回奏された後、疲れ切ったようにカデンツ的な変奏が自由に繰り返され、最後は短いコーダで曲を閉じます。

「シャコンヌ」という曲種は、その構成原理から曲がテーマを繰り返すたびにフレーズが収束し易いので、曲全体が変奏ごとに切れ切れになる危険性があるのが難点です。ですから創作する上での留意点は、いかに繰り返される変奏をマンネリにならずに、しかも魅力的に聴かせることが出来るかにかかっているのですが、その辺を上手くカバー出来たかどうか、、、いささか心配ですが、素晴らしいお二人の演奏がそこを補っていただけると信じております。

なお、マリンバの効果的な奏法について名倉誠人氏に多大なアドバイスをいただけたことをこの場をお借りしてお礼を申し上げますとともに、心から感謝致しております。

保科 洋

(初演時の曲解説より)

■ 楽譜入手先


日本語タイトル (ローマ字)Nidai no marimba no tame no syakonnu
欧文名Chaconne for two marimbas
出版社
原譜管理Hoshina Music Office
発表年2015
演奏時間8:30
難易度 (1~5)5
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Hoshina Music Officeでの取扱販売譜
料金区分販売料金
JASRAC作品コード207-7701-9