古風な小組曲

■ 委嘱経緯等

北見交響吹奏楽団の50周年を記念して

  1. Prelude
  2. Air
  3. Little March
  4. Fuga

■ 初演データ

  • 初演 2022/6/11 (1~3のみ)
  • 場所 北見芸術文化ホール
  • 指揮 保科洋
  • 演奏 北見交響吹奏楽団
  • 初演 2024/2/12 (4のみ)
  • 場所 郷の音ホール
  • 指揮 保科洋
  • 演奏 アルビレオウィンドアンサンブル

■ 曲解説

この曲は北海道の一般バンドの雄「北見交響吹奏楽団創立50周年」を記念して作曲した組曲です。

最初は3曲の組曲でしたが、後に4曲目のFuga を加えて全4曲の組曲にしました。それぞれの曲は3分程度の短い曲ですが、それぞれの曲に個性があって観賞用としてもバンドトレーニング用としても活用できるのではないか、とひそかに思っております。

Ⅰ 「Prelude」

曲のタイトルにもあるように、組曲全体はバロック時代への回顧を意識して作りましたが、この「Prelude」もその趣旨に沿ってバロック風組曲の第一曲をイメージした曲想で統一しました。基本的には対位法的なテクスチュアによって曲は進行しますが、このような曲は、作曲技法で「掛留」といわれる各パートの絡み合いによって生み出される響きの魅力を如何に表現できるかがポイントになります。各パートの微妙な絡みが紡ぎ出す表情に注目してください。

Ⅱ 「Air」

バロック時代の「Air」とは、叙情的、旋律的な小品ですが、この曲はそれに加えてコラール風な要素と対位法的なバロック音楽の特徴も加味して作りました。アンサンブルの魅力・楽しさは、自分のパートを歌うだけでなく、他のパートと共同して醸し出す表情にあります。そのようなアンサンブルの醍醐味を堪能するには、対位法的なバロック風のテクスチュアは格好の曲でしょう。またアマチュアバンドが豊かなサウンドと歌心を訓練する教材としても活用できるように意識して作りました。

Ⅲ 「Little March」

 吹奏楽といえばマーチ、とよく言われますが、バロック時代から「マーチ」というタイトルの曲はありました。ただ、現在のマーチとはスタイルは違っていたようです。この「Little March」は当初は組曲の最後の曲として作ったので、今風の元気な「マーチ」のスタイルをとりましたが、前2曲とのバランスが気になって、今回4曲目のFugaを加える事にしました。この「マーチ」は気軽な雰囲気の曲なので、アンコールなどに活用するのもいいかも知れません。

IV 「Fuga」

 作曲家にとってFugaは一度は挑戦してみたい憧れの曲種です、修行時代は何曲もFugaを作りましたが、自分の作品として作るのは初めてです。しかも他の曲とのバランスから、約3分という制約の中で、どのくらいFugaのさまざまな技法を織り込められるか? 自分への挑戦のつもりで書きました。最後は組曲の締めくくりを意識して壮大なAllargandoで締めくくりました。

保科 洋

 


日本語タイトル (ローマ字)Kofuu na syoukumikyoku
欧文名An antique little suite
出版社
原譜管理Hoshina Music Office
発表年2022
演奏時間9:00
難易度 (1~5)3~4
サンプル音源
Hoshina Music Officeでの取扱レンタル譜
料金区分一般レンタル料金
JASRAC作品コード