保科アカデミーの練習方法は、多分、ちょっと特殊です。
まず、練習日程。
月に1度、土曜の夕方から日曜の夕方まで、合宿並みにみっちり練習が入ります。
殆どのアマチュアオーケストラでは、毎週末の夜に数時間、という形態だと思いますが、アカデミーは遠方からの参加者もいますので、このような形が定着しています。
この形の練習が、本番まで大体6〜7回。
練習日数が多いわけではないので、本番当日にも大抵3時間はリハーサルが入ります。
更に、メールで様々な指示がとんできます。
一例をお見せしましょう。
☆ブラームス/ハイドンの主題による変奏曲
<Chorale St. Antoni>
1 B Es B
2 Es B
3 F D7 Gm B
4 Cm C7
5 B F
6 B Es B
7 Es B
8 F D7 Gm B
9 Cm B F
(以後省略)
……何か、お分かりになりましたか?
コレ、実は、ハイドンの主題による変奏曲の和声コード一覧です!
10小節目以降は省略しましたが、この調子で、全曲分送られてきます。
メンバーは、このコード表をみながら、自分が和音のどの部分を演奏しているのかを確認し、綺麗な純正調で響くよう微妙に音の高さや強弱を調節します。
このような練習方法は、まさに「愚直」といった表現が当てはまるものだと思います。
プロの演奏家なら、こういった事を意識せずとも、勘でやれてしまうようなことかも知れません。
しかし、アマチュアではそう簡単には出来ません。だからこそ、手間を惜しまずに一音一音合わせる、というのが、メンバーが岡大オケ時代に培った共通認識です。
その昔、岡山大学交響楽団がまだ歴史の浅いオーケストラだった頃は、演奏会で演奏する交響曲などの全ての和音を一音一音、指揮者が純正調で綺麗に響くまで合わせていました。
45年にわたる歴史の中で、指揮者が全てやらなくとも、上級生が下級生を指導して合わせることが出来るようになりました。
4年間かけて純正調の響きを作る訓練をしてきているため、メンバーはこのような表を見て、各自の判断でハーモニーを作ることが出来るのです。
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