懐想譜 (管弦楽)

吹奏楽曲の「懐想譜」より編曲

■ 委嘱経緯等

保科アカデミー室内管弦楽団第5回定期演奏会記念委嘱

■ 初演データ

  • 初演 2001.9.22
  • 場所 東条コスミックホール
  • 指揮 秋山隆
  • 演奏 保科アカデミー室内管弦楽団

■ 他編成

  • 吹奏楽

■ CD/DVD

■ 編成

■ 作曲者によるプログラムノート

この曲は、私が兵庫教育大学を定年退官するにあたって、同大学吹奏楽部のために作曲したもので、退官を目前にした私の心境と吹奏楽部への想いを綴ったものである。

  人生も終わりに近い老人が、庭のベンチでコーヒーを味わいながら、過ぎ去った日々を懐かしんでいる。回想的な旋律が、想い出を映し描く走馬燈のように微妙に変形しつつ繰り返されて行く。あるいは静かに、あるいは高揚して。

突如、老人は夢の中で若返ったかのように錯覚して、年もわきまえずに踊り始める。しかしすぐに疲れ果ててしまい、おぼつかない足取りでまたベンチに座り込む。

午後の陽はすでに黄金色に傾いている。冷めてしまったコーヒー、遠くかすむ青春、そして、おぼろげに繰り返される《懐想譜》‐‐‐‐。

このような情景をイメージして作曲したもので、個人的には自分の心境を素直に表せたと思っている。

この曲は、最初に奏される短い旋律がさまざまに変化しながら繰り返され、その情緒を反映するかのように対位旋律がまとわりついている。これらの微妙な変形は、そのままこの曲の音楽的抑揚を暗示しており、曲想の表現に寄与している。その意味では、音楽的な楽譜の読み方、さらには、それらを表現するために必要な音色や歌い方などをトレーニングするのに適した曲ともいえよう。

(文責、保科 洋)

■ 備考

この作品は、Hoshina Music Officeより出版されています(2013年)。
フルスコアにパート譜pdfを収録したCDが付属しています。
他の収録曲:風紋(原典版)管弦楽版
販売価格: 8000円

正誤表(pdf):


日本語タイトル (ローマ字)Kaisoufu
欧文名Mnémosyne -Souvenirs d'année en année-
出版社Hoshina Music Office
原譜管理Hoshina Music Office
発表年2001
演奏時間8:00
難易度 (1~5)3
サンプル音源アーカイブを参照
Hoshina Music Officeでの取扱販売譜
料金区分販売料金
JASRAC作品コード